ニュース・日記

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風通信79

2017/03/05(Sun)
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唐人町を走っていたら、
リクルート・スーツに身を固めた集団と遭遇した。
おそらく、
就活のイベントがヤフオク!ドームで、
実施されているんだろうと思った。
大変ですね。

僕自身は、いわゆる就活なんてしたことはない。
今から40年前に、「就活」という熟語はあったのだろうか。
あったのかもしれないが、僕の辞書にはありませんでした。
大学時代から続けていた編集プロダクションのアルバイト先に、
そのままズルズルと居座っただけだった。
なにしろ遠い記憶で、
ヨーロッパの古いモノクロの映画のように、
曖昧な風景しか浮かばない。
スーツを着て通勤電車に揺られて会社に行く自分が
想像できなかったことは、これはもうはっきりと記憶している。
カール・マルクスは、人間の個別性を形づくるのは、
その人が「何ものであるか」ではなく
「何ごとをなすか」によって決定されるといっているけれど、
「(会社に)存在する自分」より
「(社会で)行動する自分」でありたいと思っていた節もある。
しかし、まあ、時代も良かったんだろう。
このままでもなんとかなると思っていたし、実際、なんとかなった。
たぶん運が良かったんだろうが、今にしてて思えば、
すべては成り行きだったですね、きっと。
いまでも、そのスタンスはあまり変わっていないのかもしれない。
我ながら、情けない。

生きるということは、長距離レースみたいなものだ。
バン! とスタートのピストル音がして走り出す。
先頭を走っていても、最後尾を走っていても、
それほどの差があるとは思えない。
途中で誰かに追い抜かれたり、誰かを追い抜いたり。
でも、それも大勢にはたいした影響を及ぼさないはずだ。
肝要なのは、自分のペースを守って、
ゴールを目指すことが大事なんじゃないかなぁ。
もちろん、優勝は出来ないかもしれないが、
最後にちゃんとゴールテープを切るこことが出来れば、
それで、「なんの過不足あらんや」である。

ともあれ、あと1ヶ月もすれば、
真新しいリクルートスーツを纏ったまぶしい若者が、
ビル風に吹かれながら、
スクランブル交差点で信号待ちをしているだろう。
チャーミングな微笑みの下に、
少しばかりの不安を、それと気付かずに抱えながら。
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