ニュース・日記

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風通信163

2018/04/22(Sun)
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僕は楽器が弾けない。
学生の頃、
アコースティック・ギターは少し爪弾いたけれど、
わずかなコードと、簡単なアルペジオを覚えただけで、
それ以降、触ってはいない。
一度、ブルースハープをしようかと思って、
とりあえず「C」調のものを一本購入したけれど、
どこかにいってしまった。
何か楽器が出来たら、いいだろうなと思う。

「手風琴」というものがある。
いわゆるアコーディオンですね。
ちなみに、オルガンは「風琴」といいます。
いずれも、いろんな音のする風を作り出して、
それを組み合わせて弾く楽器だ。
その親戚にバンドネオンがあり、その習得の難しさから
「悪魔の楽器」と言われているそうだ。

寺山修司に
「海を知らぬ少女の前に麦藁帽のわれは両手をひろげていたり」
という有名な短歌作品がある。
この少女は、おそらく長期療養中なのだろう。
そして、そのベッドサイドで、不器用な少年は立ち尽くす。
現実の行為というより、イメージの作品のような気がする。
言葉の二律背反ですね。
でも、確かに言葉は全能ではないのだ。

今日のような穏やかな春の日の午後。
空を渡る風を感じながら、
ぼんやりと霞んだ水平線を前にした砂浜で。
缶ビールを片手に、君と座ったままで、
何の役にも立たない、つまらない話をしてみたい。
僕が「手風琴」を弾けたなら、
少女の傍らで、ひとつひとつの音を確かめながら、
言葉にならない言葉で、話していたい。
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