ニュース・日記

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風通信211

2022/03/06(Sun)
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 事態が改善されたとは思わないけれど、ともあれ「蔓延防止措置」が解除されたのはなによりだった。いよいよ公演前一週間となった。通常ならこの時期、ほとんど毎日、返し稽古や、スタッフワークや諸々の打ち合わせで休む暇はないのだが、今回は10月の海のように、はじまりの予兆に満ちた穏やかな日々である。当日配布するパンフレット、チケットのデザインも完成し、あとはプリントアウトするだけだ。一夜かぎりの公演だし、情宣もしていないので集客は端から諦めている。だから印刷枚数も少なく、自宅のプリンターでできるだろうと、踏んでいる。
 今回の企画は昨年の7月頃から始まった。その時点でパワーポイントを使って初見の台本を観客と共有するなどの作品のコンセプトや実施の際の舞台の構想はすべて僕の頭の中で完成し、その上で別府に台本をオーダーした記憶がある。三週間くらいで第一稿が上がり、そのまま寝かせた。そして、制作スタッフの矢野と川中に今回の構想を伝え、相談したら「やりましょう!」という返事をもらったので、台本の修正に入った。彼ら二人が賛成してくれないと公演の実施は不可能なのだ。二稿、三稿(四稿までいったかな)と重ねて、年が明けた1月に決定稿の完成。制作スタッフと台本の内容について詳細な確認を行い、感染症の蔓延を片目で見ながら2月にスタッフだけで読み合わせをした。尺を取るためである。それが物語であるためにはある程度の長さは必要だが、今回の場合、長すぎても処理が難しい。30分から40分、別府にはそう頼んでおいた。おおむね予定通りでした。別府君ありがとう。内容的に倫理違反とかないかなど改めて確認して、準備が整った。もちろん、初見になるので台本へのフリガナを付けるなどの細かな作業は残っているにしても。そして、一番重要なのは、台本の分析。この一週間は読書も映画も・・・と、そうはいかないんだよなぁ。追い詰められると、ついついソッチやアッチに逃げてしまうのは、毎度のことである。高校生の時から試験前になると急に本を読みたくなったりした、あれです。たぶんこれは治らない病。昨日、ショーン・バイセルの『ブックセラーズ・ダイアリー』を読み終えたばかりなのに。総合図書館では予約20人待ちの本だけど、僕は同じ系統の本ならジェレミー・マーサーの『シェイクスピア&カンパニー書店の優しき日々』の方が面白かった。それにしても、今月はなにかと忙しい。先週は荻須高徳の展覧会を見に広島へ一泊で行ってきたし。いつもながら時間が停止したような錯覚にとらわれる「ひろしま美術館」。作品の前に不粋なラインなどもなく、作品に10センチくらい顔を近づけて観てきた。そのタッチや息遣いまで感じられる。彼のまとまった作品を観るのは久しぶりだった。鹿島 茂のパリ愛に満ちた一連の本をここ2〜3年読んでいたので、以前よりは描かれた対象、場所を捉えることができたような、なんだか奇妙な既視感である。古くは山田 稔、最近では堀江敏幸などパリに魅せられた文人は多いですね。人肌の感じられる魅力的な都市なんだろうな。月末は、佐賀で、辻井伸行のラフマニノフ。コロナ以前の、3年くらい前のサントリーホール以来だ。
 まだ3回目のワクチン接種は終わっていないのに、こういう状況はどうよ、と突っ込まれそうだからここで止めよう。3回目は4月1日。もちろんエイプリルフールではない。
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