ニュース・日記

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風通信181

2019/03/23(Sat)
風通信 |
今年も、「西日本陶磁器フェア」に行ってきた。
もっとも、最近はお気に入りの窯元だけ観て、
サクッと会場を廻って足が止まったところで、
気に入れば購入、長居はしないというのがパターン。
磁器は好きではなく、陶器が中心です。
40代の頃は、かなりの頻度で窯元巡りもしたし、
気に入った窯元もいくつかあったのだが、
2005年の西方沖地震の本震で棚の中の半分が割れて、
ひと月後の余震でその残りの半分が割れてしまった。
時間をかけて集めた物だから残念だったけれど、
形あるものが未来永劫続くわけだしね。
それ以来、熱心に集める気力も徐々に失せました。
それでも織部を中心にネットで見つけた作家の作品を
時々は購入したり、旅先でふらりとギャラリーに入って、
手に取って馴染む陶器を気まぐれに買ったりしている。
民芸趣味ではないけれど、陶磁器は日常で使ってこそ、
という思いがあるわりに、非日常的な食器を使っている。
ここ数年のお気に入りは、鹿児島の岩元鐘平氏の作品。
使っていると幸せになる。置いてみてもいい。
自宅の食卓というか、テーブルは、
縦90p、横は300pはあろうかという大きなものだ。
それを印刷用語でいうと金赤に塗ってあるので、
原色が取り混ぜてある色とりどりの彼の作品は似合うのだ。
もっとも作家が意図したようには、使わないことが多い。
たとえば砂糖壺で売られていた物は薬入れに使ったりたりとか。
今回買った物ではデザインが異なる小さな湯飲みがある。
それを五個並べると、それだけでオブジェになる。
10年ほど前は、佐賀の吉田求氏の作品を買っていた。
刷毛目に勢いのある変形の器が多く、
造形作品としても優れていたように思う。
僕が通っていた時期はまだ客も多くはなかったのだが、
雑誌かTVに紹介されてからは一気に客が増え、
それと同時に、一般受けするような
穏やかなスタイルに変化していった気がして、足が遠のいた。
彼の器の多くは地震で割れたので、
できればセットの中で残った物を持参し、
同じような物がないか探したのだが、作風の変化に伴って、
失われた物は二度と帰って来ない。人生と同じですね。
基本ラインは変わらないけれど、作家も変化するのですね。
だから岩元氏も来年はどんな作品になるのかわからない。
昨年のフェアで見つけた神戸の山本直毅氏は
今年も出品していて8寸の深鉢がなかなかよくて、購入。
枯淡の味わいが現代に通じるような作風である。
あの色はなかなか出ないと思うな。
でも、昨年あった深い黒紫の色が今年はなくて残念だった。
焼くときの窯の温度や天候などの状態で変化するらしい。
その一回性がなんともいい。
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