ニュース・日記

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風通信182

2019/03/24(Sun)
風通信 |
なんとなくだけど、気分がフォールダウン気味なので、
久しぶりにビートルズでも流そうか
(部屋では音楽がいつも流れています)と思って、
CDの棚を見ていたら、
EIGHT DAYS A WEEK -The Touring≠フBRがあったので、
久しぶりに映像でも見ようかと思い、セッティング。
深夜じゃなかったから、サウンドも絞らずに。

音楽はいうまでもないけれど、
彼らが単にバンド≠ナなかったことについて、
認識を新たにしました。
こんな年になってなんだけど、ちょっと感動します。

映画「カラー・パープル」で主演した、
ウーピー・ゴールドバーグがインタビューに答えている。
「子供心に何か≠ミらめいた。
 世界が輝いてるって、突然感じたの。
 この人たち、好き。私は黒人よ。
 彼らは白人じゃない。 ビートルズよ。
 誰でも受け入れられるとビートルズに教わった。
 好きなように生きていい。」
1960年代のアメリカがどういう国であったのかを
考えたとき、彼らの存在が、
自分の人生の方向を見出したひとりの少女に、
我知らず影響を与えたということなんですね。

おそらくすべての芸術は時代の桎梏から
免れることはないだろう。なるほど
ビートルズがあの時代にあの場所で生まれたのは
偶然だったのだろう。けれど、もしかしたら、
彼らの存在は、
時代がビートルズという集団をたまたま生み落とし、
その偶然が普遍性を獲得するという奇跡だったのかもしれない。
それを、僕らは自分自身の経験として、
感じ取っていたのかもしれない。
そのことは、ビーチ・ボーイズやストーンズには
ついに成し遂げられなかったことかもしれないですね。

ジョージの言葉が印象的だ。
「あの人たちやこの人たちのための演奏じゃない。
 人々のための演奏なんだ」
もちろん、後々、大人としての計算や思惑は生じるだろうが、
少なくとも初期のビートルズは、ただひたすら音楽好きの
そして、自分に正直な若者の集団だったようだ。
おそらく、自分たちがこう創りたいと思う音楽を
創りたいだけの単純な若者が、
永遠性を獲得できたことの不思議さを感じる。

このドキュメンタリーでは、
なぜ彼らがコンサートを止めたのかが、
すごくシンプルに説明されている。
シンプルというのは、
言ってみれば分かりやすいと言うことです。でも、
それだけだと、ツァー終了後の傑作アルバム群が
どうして可能だったのかを説明しきれない。
それがちょっと不満ではあった。
まぁね、タイトルからしてそこが狙いじゃないとは
分かっているんだけれど。

むかし、一緒に住んでいた女の子に、
「僕の気分が落ち着ちたときは
 黙ってビートルスのレコードをかけるといい」
と言ったことがある。
確かに、そうだった。
でも、今はそれほど簡単でもないし、単純でもない。
こういうとき、少しだけ年は取りたくないと思う。
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