ニュース・日記

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風通信191

2020/06/16(Tue)
風通信 |
今日は劇判のことについてちょこっと情報を。

ひとり芝居の3本立ての内、真ん中の午後のシーンは、中年男性が主人公なんだ。キャラクターの造型を考えていたある日のことです。ショスタコービッチの『ジャズ組曲』が頭に浮かんだ。いや、名曲です。アレ使えないかなぁと思って、別府に劇判として使いたいんだけど、というと、2、3日して、台詞の中に「ジャズ組曲」という言葉が入った新しい台本を届けてきた。少し無理はあるかもデス。でも、それは演出でカバーできると踏んだ。

次に、生劇判だから、どうしようかと・・・。フルフルズに任せるのは荷が重かろうと・・・。シンプルにいかねば・・・、大人の音色・・・、などなど考える内に、ひらめいた。君に言わせると単なる思い付きです。えへ。いつもそうだよね。演出も生き方も、あまり考えない。ひらめきはすぐ実行が原則だから、ある楽器のソロプレーヤーのところに足を運んだのさ。顔だけは知っていて、話したこともない人です。自己紹介から始まって、約1時間・・・2時間だったかな、口説いた。僕は女性を口説いて、はかばかしい成果を上げられなかった数多くの経験譚の持ち主なんだけど、わりと男性は落とせる自信がある。ここでね、落とすと僕が言うのは、実は、ノーギャラでの出演を依頼したということです。いや、申し訳ないことです、ほんとに。我ながら信じられんし、そもそもホントはしてはいけないことなんです。いつもそう思う。芝居やっている人なら、上演の経済はよく分かっているからハードルは低いんだけど、同じステージ・パフォーミングでも違うジャンルの人だとかなりのハードルなんだよね。だって、彼の場合リサイタルまでやって、CDまで出している音楽家ですから・・・。ああ、もちろん、若干の謝礼は用意するよ、もちろん。でも、ギャラというにはあまりにも情けないもので。僕の話? いや、面白いことやりません? という感じでした。アントンのはじめころはだいたいそうやって役者さんと話して、口説いていたことを思い出した。
暗転から彼の演奏が静かに始まる。曲はもちろん、『ジャズ組曲』の第1番。メロディが聞こえてこないか? 主人公の、仕事をそれなりのそつなくこなしながらも、どこかやるせない思いを抱いている感じがなかなか合います。

もちろん、朝のシーンは女の子にひとり芝居です。これにも劇判は付けようと思っている。これは、『Your Song』ご存じ、ロケットマンの曲ね。詩がさぁ・・・なんとも煮え切らなくて。そこがまたよくて。この女の子のメンタリティも微妙で。ひとり芝居だからソロの劇判。ここは定番のアコースティック・ギターです。この曲のアコギ版は楽譜もわりと出版されているらしい。まあ、これは一応「フルフルズ」のギター担当に頼んだ。半年かけて練習せーや、ってさ。クラシックギターもしているそうだから、いい感じが出せると思うんだ。ガット弦よりもスティール弦の方がいいかなと思うけれど、プレーヤーがどう思うかです。

君は元気にしてますか? 
便りがないことが元気な証拠だとは思っている。
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