ニュース・日記
三月というのに、昨日の朝、雪が舞った。
いつものように7時半には勤務先に到着する。
小高い山の中腹です。
坂道を走っていると、パラパラという感じで、
フロントガラスに水滴が付き、
すぐに白い雪に変わった。
伊勢正三の『なごり雪』があまりにも有名なので、
この時期に降る雪のことを「なごり雪」と多くの人が言う。
でも、たしか、三月に降る雪を「忘れ雪」とも言うのじゃなかったか。
もしかしたら、「忘れ雪」は三月の下旬の雪のことだったかもしれない。
僕の詩が、はじめて全国誌に掲載されたのは、
春まだき、三月のことだった。
渋谷にある大盛堂という書店の雑誌コーナーで、
その詩誌を手に取り、ページをめくっていくと、
『12月の風』というタイトルがあり、
それは、一月に編集部に送った僕の作品で・・・
あのときは嬉しかったですね。
街行く人々が、まるで自分のことを知っているような、
愚にも付かない思いを抱えて、道玄坂を登っていった。
そのころ、好きな女の子がいて、
僕は、必要以上に若くて、必要以上に不器用で、
そのくせ、向こうっ気ばかり強くて、
人に届ける言葉を知らなかった。
どうしようもない若者だった。
彼女がたしか群馬県の吾妻の出身で、帰省する日に駅まで
送っていこうかいくまいか、などという淡い感傷的な作品でしたね。
『ティファニーで朝食を』の冒頭に出てくるような、
都市の広い道路の明け方の幹線道路。
連なった信号が同時に点滅し、
夜を明かした車が一台走っている、そんな朝の迷い。
それでも、まあ、その時は精一杯。
センチメンタルな感情には出口がありません。
言わずもがなだけど、脚がキレイで、花のような女の子でした。
彼女というわけではないけれど、
恋したという記憶は、いつまでも心を温めてくれる。
しかし、結局のところ、時は流れ、
すべての美しい心持ちは、消えてゆく。
灰が風に吹かれるように。
僕らは、たぶんそのことに慣れなければならないのだろう。
暫定的なため息をつく。
いつものように7時半には勤務先に到着する。
小高い山の中腹です。
坂道を走っていると、パラパラという感じで、
フロントガラスに水滴が付き、
すぐに白い雪に変わった。
伊勢正三の『なごり雪』があまりにも有名なので、
この時期に降る雪のことを「なごり雪」と多くの人が言う。
でも、たしか、三月に降る雪を「忘れ雪」とも言うのじゃなかったか。
もしかしたら、「忘れ雪」は三月の下旬の雪のことだったかもしれない。
僕の詩が、はじめて全国誌に掲載されたのは、
春まだき、三月のことだった。
渋谷にある大盛堂という書店の雑誌コーナーで、
その詩誌を手に取り、ページをめくっていくと、
『12月の風』というタイトルがあり、
それは、一月に編集部に送った僕の作品で・・・
あのときは嬉しかったですね。
街行く人々が、まるで自分のことを知っているような、
愚にも付かない思いを抱えて、道玄坂を登っていった。
そのころ、好きな女の子がいて、
僕は、必要以上に若くて、必要以上に不器用で、
そのくせ、向こうっ気ばかり強くて、
人に届ける言葉を知らなかった。
どうしようもない若者だった。
彼女がたしか群馬県の吾妻の出身で、帰省する日に駅まで
送っていこうかいくまいか、などという淡い感傷的な作品でしたね。
『ティファニーで朝食を』の冒頭に出てくるような、
都市の広い道路の明け方の幹線道路。
連なった信号が同時に点滅し、
夜を明かした車が一台走っている、そんな朝の迷い。
それでも、まあ、その時は精一杯。
センチメンタルな感情には出口がありません。
言わずもがなだけど、脚がキレイで、花のような女の子でした。
彼女というわけではないけれど、
恋したという記憶は、いつまでも心を温めてくれる。
しかし、結局のところ、時は流れ、
すべての美しい心持ちは、消えてゆく。
灰が風に吹かれるように。
僕らは、たぶんそのことに慣れなければならないのだろう。
暫定的なため息をつく。