ニュース・日記

ニュース・日記

風通信47

2014/05/25(Sun)
風通信 |
マンスリーのVol.1は、『結婚申込み』と、『煙草の害について』です。
どちらも、チェーホフの傑作短編喜劇。
演出は栃原が担当していて、
彼曰く、「台詞だけで面白い芝居」ということだ。
う〜っむ、確かに。
しかし、選曲・音響を担当している身としては、
どうすればいいか、迷うところです。
演出は、「まあ、始めと終わりになんか、牧歌的な・・・」ということで、
のべ、一週間程度探しました。
僕「一曲か二曲ね?」
演出「うん、それで」
ところが、この一曲か二曲というのが、案外と難しい。
牧歌的という指示もあるしさぁ。
でも、アントンは、
演出がそう言ったらそうしなければならないので、
探しましたよ、はい。
クラシックから有名、無名曲。
ジャズの有名、無名曲。
その他ジャンルの有名、無名曲。
そして、昨日の深夜、まあこれならというのを、
やっとの思いで探し当てました。
演出が気に入るといいけれど・・・。
でも、残念ながら、2分34秒まではいい感じなんだけれど、
その後の1分47秒からが転調して雰囲気が変わる。
それで、久しぶりに曲を一端ファイルに落として、
その後、編集用ファイルに変換することにしました。
それからヘッドホンで音を確認しながら、切った張ったの編集作業。
曲のつなぎがお客さんに分からないように、
いろいろ工夫するわけですね。時間がかかる。
たった4分強の曲を作るのに、なんと3時間もかかってしまった。
もう、ヤレヤレです。
これで、演出が気に入らなかったら、トホホだけれど。
今回、照明は制作の矢野が担当。
彼女は、自前の革手袋も持つステージスタッフ経験者だから、
問題ないのですが、仕事的には、もしかしたら、
音響より楽だったのではないかと思うことしきり。
でも、ま、いいか。
どうせ、矢野と僕でステージワークはするんだし。
今まで、アントンのチラシは、その多くが僕がアイデアを出し、
イラストレーターが扱える人と相談しながら作っていたんだけど、
今回から、経費節約のために、僕がイラレを覚えることにした。
これは、もう初体験の世界。・・・この年でも、ドキドキします。
でもなぁ、この年で覚えるのはなぁ。
誰かイラレ勉強しろよ!
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風通信46

2014/05/24(Sat)
風通信 |
僕はほとんどテレビを見ないのだが、
金曜日の夜、NHK総合で放映される『ドキュメント72hours』は、
時間が空いた時は必ず見る。

5月23日の「大都会・真夜中の大衆食堂」は、
JR山手線で、一番乗降客が少ない鶯谷駅。
その鶯谷にある24時間営業の定食屋が舞台でした。

同じ空の下、同じ時代に、たまたま行き合わせた私たち。
あるいは、そこにいるのは自分だったかもしれない人々。

午前6:20・・・30代とおぼしき建設業のお兄さん
「あ、これ?(手をくるんだ血だらけのタオルを擦りながら)・・・ 病院なんか行かないよ。いや、フラれてね。それで、テーブルとか壁とか何回も思いっきり叩いちゃって。なんかさ、ごまかしきかないんだよね。正面から目をそらせないからさ。それで、だから、やっぱり、つらいというか、やっぱ、ショックで。結婚まで考えていたから。でも、寝ればね、寝れば」

午前3:45・・・60代の夫婦。
「俺はさ、築地で働いてんの。でね、だから、休みの日なんだけど、
目が覚めちゃって。そしたら、ここに行こうと奥さんが言うから、来たの」
「あはは、おいしいよね、お酒」
「・・・うん」
「よく来るか? うん、よくね。ほら、あたしたちさ、結婚して日が浅いから・・・ん?10年にはなるかなぁ」
「10年かな・・・」
「あたし、5回? 6回? くらい結婚したし。でも、この人が拾ってくれて、それで幸せ、あはは」

午前7:30・・・50代の風俗店経営者(女性)
「仕事が終わったから・・・毎朝、ここの天ぷら蕎麦。うふふ。仕事? お店、風俗(ほんとはズバリありましたが)。ほら、女の子がいて。うち、20代から80代までいるの。え? 近頃の優しい男の子は、肩なんか揉んでくれてね、で、お客さんいるわけ。あたしね、40まではデパートにいたの、それで、いろいろやってて、投資とか・・・そのうちに振り込め詐欺みたいな。一時、お金がぜんぜんなくなっちゃったのね。それで、この世界。うん、そのうち店持っちゃって」

と、まあ、こんな感じでカメラマンか、ディレクターの問いかけに、
カウンターに坐っている客が問わず語りに話すんです。

同じJRの駅でいえば、たとえば東京駅に近くには、
たぶん、こういう定食屋はないだろうし、
大手町のようなビル街でもきっとないだろうと思う。
そして、東京駅や大手町のビル街を歩いている人々からは、
たぶん、もっと違った言葉が拾えるんだろうと思う。
言うまでもないことだが、
その言葉のどちらが、良いとか悪いとかはない。
優劣を付けることは出来ないとでも言おうか。いや、
確かにね、「カンブリア宮殿」(これもときどき観ます)に出てくる
優れた、そして成功した経営者たちの言葉はそれなりの説得力があるし、
成功を夢見る人々の中には、人生の指針とする人もいるかもしれない。
そういう意味では、鶯谷に登場した人々の言葉は、
新しい知見に満ちた人生的な示唆を与えるわけではありません。
むしろ、負け犬の言葉と誹られるかもしれない。
でもさ、
「太陽と北風」というお話しで、
結果的には、太陽は旅人の上着を脱がせることに成功するんだけど、
北風にとってビュービュー吹く以外に、どんな方法があったと言うんだろう。
それを責めるのは、理不尽ですよね。
人生は理不尽で、悲しみに満ちている。しかし、
世の中のどこかしらで、自分の大切と思うものをしっかりと愛し、
自分の心に正直に、そういうふうにしか生きられなかった人がいることが、
僕にささやかな感慨をもたらすのです。
僕は、プログラムを観ながら、よく分からないんだけど、
やっぱり人生は生きるに値するのではないかと思い続けていました。

村上春樹が、エルサレム賞を受賞した時のスピーチ、
「固い壁があり、それにぶつかって壊れる卵があるとしたら、
私は常に卵側に立つ」
という言葉が好きなんだけど、そういう感じかなぁ・・・。
(あ、念のため、もちろん、彼の言葉のコンテクストは違うものですが)

たとえば、学校の教師は、
こうしなきゃダメだ、もっと頑張れるはずだ、
何を考えてるんだおまえは、と時に励まし、時に叱り、時に認めない。
固い壁になれとね。
教師の言葉に従い、勉強し、自分の人生を切り拓く。
そうやって、人は成長するのだろうと、思う、たぶん。
そして、物質的な豊かさを手に入れ、固い壁になっていく。
世の中は競争に満ちているし、生きていくということは、
否応なくその世界に放り出されることだ。だから、
教師はその戦いに勝利するべく言葉をかける。
それはある意味、正しいことであるのだろう。
でも、人は正しいことばかりをして生きているわけじゃないし、
正しくないことをしないでは生きていられないこともある。

・・・で、僕は思うのです。
教師が指さす生き方に上手くなじめない人間もきっといるはずだし、
そういう人間がダメなヤツかというと、そうは思えないのですね、僕は。
だって、ひとつには、
人生においては、勝つことよりも負けることを学ぶ方が大事なのだから。
「愚者は指を観る」と言うけれど、指を観て、どこがいけないのだろう。
毛沢東の指が指し示す、
その先を見つめて、生きようとした若者が何をしたか。
歴史がそれを教えてくれます。
もともと僕は、
この上手くなじめない人間の方にシンパシーを持つ傾向があって、
自分が間違っていないと信じられたら、教師を殴ることもいとわない、
そんな生徒がいれば、「よし、人生、生きるに値する」と言ってやりたい。
もちろん、その場にいたら、
それだけはやめとけ、と止めはするだろうけど(笑)

演劇や映画は、そういう人々を描くことが多い。
そうです、ここまでの日記は・・・、
『チョコレートドーナツ』を観て、考えたことなんです。
映画というのは偉大です。
質はともかくとして、
量をここまで書かせ、考えるチャンスをくれるのだから。

たまたま、同じ空の下に生まれ合わせて、
同じ時代に行き会わせた僕ら。それだけでもたぶん幸せなことだ。
そして、
隣に座っている誰かは、あなたの隣に座っている僕だったかもしれない。
そう思えたら、先日書いたように、それは人間に対する愛なのだろうと思う。

成功とか、失敗とかの物差しで人生を考えると、人生が涸れてくる。
人生はもっと豊かで、瑞々しいものですよね。
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風通信45

2014/05/22(Thu)
風通信 |
どもッ、
いろんな意味で徐々に回復の途上にある安永です。

風は西から東に。
雲は小さな羊の群れのように流れていく。
そんな空。
そんな大好きな五月が過ぎていきます。
さて、我がアントンは、
マンスリー公演に向けて稽古が続いています。
やっと、矢野が日記を書いたものの、
みんな目の前の稽古に邁進で、
なかなか日記も進みません。
致し方ない。
稽古でも熱が入って・・・、
それだけに、期待感一杯です。

ところで、僕は、
今年になって、DVDも含めて、
20本くらいは映画を観たのですが、
(いや、芝居じゃなくて、我ながら情けない)
なんといっても、
トップは、『チョコレートドーナツ』でした。
ちなみに最低は『永遠の0』。
男女の愛でもなく、家族の愛でもなく、
人間に対する愛を描いた映画です。
アメリカは
とてつもなく愚かなことをすることがある国家だけど、
こういう映画を作って、マイノリティーの痛み、
人が生きることの痛みを
しっかりと表現できる国なんですよね。
エンディングの5分に歌われる『I Shall Be Released』は
よくぞ、この曲を、と思わせます。

国家と言えば、
どこそこの国家では、「国家が国民を守る」などと平気で嘘をつく。
いままで、そんなことあったためしがないのに。
でも、それをどうやら本気で思っている節がある。
しつこいようだけれど、
そんなことは、もちろん、過去にもなかったし、
おそらく、未来にもないだろう。
そして、現在でもありません。
まるで賢いボス猿が自分の頭の良さを
見せびらかすような子供っぽさですね。
きっと、『チョコレートドーナツ』を観ても、
涙の一筋も流さないような気がします。
国家が国民を守ると信じられる国民は不幸な国民ではないかなぁ。

さて、
僕は賢い猫のように、自分の部屋で毛繕い。

厚い雲はなかなか晴れません。
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髪を切りました。

2014/05/21(Wed)
制作の矢野です。

ひさしぶりにバッサリと髪を切りました。
かなりのイメチェンです。

今月末からスタートするマンスリーシアターでは、髪を切った私にも会えるチャンス。

是非、来週末はいじ☆かるstudioに!!


IMG_20140514_204556.jpg
(先週の写真です。)
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5月になりました。

2014/05/03(Sat)
川中です。

今月末から、マンスリーシアター始まります。
昨日は、「結婚申込み」の稽古でした。

IMG_20140502_202521.jpg

詳細は近日公開ですが、チョット出させていただきます。

『結婚申込み』/『煙草の害について』

5月31日(土)昼、夕方
6月1日(日)昼

会場:いじ☆かるstudio(南区井尻4丁目2-40、井尻商店街内)



続いて、5月の団員出演情報です。■□■□■□■□■□■□

◎粗忽家鴈治郎(岩井眞實)

『いじ☆かる寄席』
日時:5月10日(日)16時開演(15時半開場)
場所:いじ☆かるstudio(南区井尻4丁目2-40、井尻商店街内)
出演:粗忽家鴈治郎・粗忽家とまと・粗忽家直角 ほか
料金:無料

また、5月4日どんたくで大喜利をします。
10時頃  大丸パサージュ広場
12時過ぎ 新天町
13時半  ビブレ
14時半  博多ふるさと館
お暇でしたらお立ち寄りください。

■□■□■□■□■□■□

◎岡本直華

映画「Sea of Love 〜いとしまに魅せられて〜」特別上映会

◉日時
2014年
5月23(金) 19:00〜
5月24(土) ★14:00〜出演者トークショー有り / 18:00〜
※開場は上映の30分前となっております。

◉料金
一般800円
学生(大学生以下) 500円

◉場所
福岡女学院大学 新棟 エリザベス•リーホール

◉アクセス
福岡女学院大学 新棟 エリザベス•リーホール
〒811-1313
福岡市南区日佐3丁目42-1

JR鹿児島線 南福岡駅 西鉄バス45番(約15分)
西鉄天神大牟田線 井尻駅 西鉄バス45番(約12分)
西鉄天神大牟田線 大橋駅 西鉄バス42番(約13分)
※バスは女学院経由のものと、放送所前から徒歩のものとございますのでご注意ください。

◉お問い合わせ
TEL 092-575-2971
E-MAIL bunkei@fukujo.ac.jp
(福岡女学院大学 文屋研究室)
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