ニュース・日記

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風通信57

2015/02/26(Thu)
風通信 |
えーっと、今でこそチェーホフ作品は近代演劇の金字塔とか、近代劇はチェーホフから始まるとか言われているんだけど、彼が戯曲を書いたのは晩年でね、それまでは小説家として活躍していたわけです。彼の本業は医者で、モスクワ大学の医学部卒業ね。医学部生時代から彼は小説を書いていました。それも大活躍で、人気作家。女性にもモテたそうです。そんなことはどうでもいいけど、彼が時間を惜しむように小説を書いたのはもっぱら経済的理由でね。あ、もちろん生まれ故郷のタガンロークの古典科中学生のころから創作意欲はあったみたいですが、なにより彼の家族は、夜逃げをしたくらいの家族だったし、生活費を稼がなくちゃいならない。それで、新聞なんかに、書き殴っていた。だから、短編小説です。ロシアの文学っていえばトルストイやドストエフスキーだから、ふつう長編小説ね。でも、チェーホフは短編なんです。話は飛ぶけれど世界的な短編小説の名手はフランスのモーパッサン。どうも彼とチェーホフはアプローチが違うみたいなんだ。チェーホフには伏線とかプロットとか技巧はなし。ひたすら、人間、人間、人間。事件なんてほとんど起きないのです。まあね、面白いのはやっぱり人間かもしれないし。じゃあ、チェーホフはどんな人間を描いたかなんだけど、これが作品の形となると、そのほとんどが笑話なんですね。よく読めば悲哀もあるんだけど、よく読めばの話でさ。彼は24才の時に喀血していて、ほら自分が医者だから、判断できるわけですよ、結核って。そうすると難しく言えば、人間を客観視するみたいな、人間の立ち振る舞いを外側から眺めるっていうかさ、そういう目で人間の姿を見ることになる。それはたぶん、彼の短編小説の底に流れていると思います。彼の描き方は、現存する世界の短編作家にも大きな影響を与え続けている。で、『たばこの害について』です。これは、そうした短編小説から本格的な戯曲に向かう、言わば途中にある作品。ひとり芝居です。頭の上がらない奥さんから「たばこの害について」の講演をするように言われた主人公。モリエールに『いやいやながら医者にされ』というタイトルの戯曲があるけれど、いやいやながら講演しなくちゃならない彼は、脱線に次ぐ脱線。そうでしょう、したくなかったわけだから。でも、実は話したかったのかもしれない。とこれ以上書くとネタバレになってしまうので書けません。今回のわがアントンクルー公演は、この『たばこの害について』を3人の男優が演じます。はじめに東是信が、チェーホフの原作を演じる。今ではいろんな人が訳していますが、彼が使用するのは神西清版。もっともオーソドックスなものです。次に栃原純司が演る栃原バージョン。これは、奥さんに命令されて講演するというスタイルだけを踏襲して、その中身はまったく現代。唄まで歌っちゃう創作です。言わばフレームだけ借りた創作劇。3人目は落語家としての名前は粗忽屋鴈次郎、岩井眞實の落語風の、これもまたフレームを借りた創作芝居。抱腹絶倒のトリプル、情熱あふるるトロピカルな舞台です。三つのバージョンが一度に観られるお得な公演。是非お運び下さい。
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プロの技

2015/02/25(Wed)
野球ファンの東です。

早いですねー
あと3日で2月が終わります。
春一番、梅の花、プロ野球オープン戦と春が近いことを感じさせます。

そんなわけで、
行ってきました。今年も。ソフトバンクホークス宮崎キャンプ。

2月8日、風の強い日でしたが、3万人を越えるファンが訪れていました。

ステージのイベントをちょっと見て、すぐに球場の内野スタンドへ。
もう選手が練習していました。
捕手の細川、鶴岡選手がケージバッティングをしている後ろで
バックネット(スタンド)に向かってトスバッティングをしている松中選手発見。
パシッ、パシッと小気味よい打球音が聞こえてきます。

僕はすぐさま「のぶひこーーー!」とスタンドから大向うばりの声援を送りました。
するとその瞬間、松中選手の打球が凡フライになって真上に上がり、
バックネットを越えてスタンドにいる僕の近くに落ちてきました。
ゴルフで言うところの「てんぷら」です。
バックネットの近くで見ていたお客さんは、あははと松中選手のミスを笑っています。
松中選手も苦笑いを浮かべています。

でも僕には今の打球は僕の掛け声に対する返事だと直感しました。
ファンサービスです。
本人は失敗したふりをして、スタンドのファンにボールのプレゼント。
あの瞬間、これが分かった人は、多分1パーセントくらいでしょう。

これが入団19年目のプロ野球選手です。
プロフェッショナルです。お客さんのことをとても大切にします。
これは我々演劇人にも参考になることかも。

サブグラウンドに移動すると、摂津と中田が二人並んでジョギング。
そのはるか後方には10キロ以上スリムになったイデホ選手がトレーナーに後を追われながら
ジョギングしていました。
トレーナーはイデホ選手がさぼらないよう後ろに付いているとしか思えない。
僕はここでも「イ・デ・ホ、ファイティン!」と声をかけます。
彼は苦しそうに走りながらも右手を頭上に上げて(といっても頭の横まで)答えてくれました。

今年は崖っぷちの松中選手。
昨年以上の活躍を期待されるイデホ選手。
僕は若手はもちろんですがこんなベテラン選手に期待したいですね。
あと、イチロー選手も。


そんなこんなでとても気分よくキャンプを満喫することができました。

がんばれホークス。熱男たちの集団。



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素直な華

2015/02/16(Mon)
身長170cm 岡本直華です(^-^)

役者やモデルをやっているせいか、現場で「直華って芸名?」と聞かれたことがあります。
いやいや、本名ですよ!
机のなかを整理していたら、引き出しの奥の方から、母が書いてくれた手紙がでてきました。
小学校で行われた二分の一成人式のときにもらった手紙です。
そこに、私の名前に込められた想いが書かれていました。

真っ直ぐ
素直に
正直に
生きてほしい。

そして、自分の“華”を咲かせてほしい。

素敵な名前をもらって幸せです。

名前に相応しい私になるにはまだかかりそうです(^^;;
名前負けしたくありません。
いつか、私の“華”を咲かせてみせます。
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亀岡、あなピ、出演致します。

2015/02/05(Thu)
亀岡です。
1月31日に26歳になりました。
そして…26歳初稽古…あなピ!!
そうです。あのあなピ様です。

亀岡があなピに出ると何人かに伝えた際の反応はみんな一緒でした。


「・・・・・・・・あなピ!」

みんなこんな感じ。
あなピのみなさまに加え、福岡の第一線で活躍されている俳優さんたちと一緒ということで
緊張しています。
毎回ドキドキしながらの稽古ですが、すごーく楽しいです。
あなピさんの稽古は本当楽しいです。笑いのツボが一緒で幸せ。

さて。舞台の情報です^^



2002年に上演の宇宙妄想組曲三部作から最終楽章を再演!

あなピグモ捕獲団presents
Vol.37 TRIAL RE:PLAY ー2015 SPRINGー
『宇宙妄想組曲最終楽章 RE:MONSTER』

【脚本・演出】 福永郁央

【出演】
石井亜矢
遠藤咲子
(以上、あなピグモ捕獲団)

大竹謙作(ゲキダン:ロックンロール・ツアー)
松岡伸哉(アクティブハカタ)
木福清信
中原智香(01:17)
野中双葉
亀岡紋加(アントンクルー)


【照明】西本正明 (Lighting P&A)
【音響】鳥原淳((株)エスエルアイ)
【舞台】安部将吾(兄弟船)
【宣伝美術】Digi-太郎コーポレイション(D-T-C)
【記録】友山敬太
【制作】PIGMIX

2015年3月
12日(木)19:30
13日(金)★休演イベント★
14日(土)15:00/19:00
15日(日)13:00/17:00
*開場は開演の30分前

★休演イベント★
『NOMIKAI☆2015』 19:00開宴
劇場で出演者と一緒にお酒を酌み交わす座談会イベントです。
出演者以外にも多数ゲストあり。「余興」をお楽しみください。
1ドリンク付きで700円、ドリンクの追加は別途料金、チケットは劇団予約のみの取り扱いとなります。
※未成年入場不可


<会場>
博多リバレインホール
(福岡市博多区下川端町3-1 博多リバレインイニミニマニモ地下1階)

<料金>
一般前売 2,500円/当日 2,700円
学生 1,500円(事前予約のみ)
ペア券 4,500円(事前予約のみ)
*全席自由
*1月25日(日)チケット予約開始!

稽古風景☆彡
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訛伝

2015/02/01(Sun)
岩井です。

ジョニー・デップ主演の「チャーリー・モルデカイ 華麗なる名画の秘密」という映画がまもなく公開されます。ジョニー・デップにもこの映画にも何の興味もないんだけど、許せないことがひとつありまして。
それは映画の中でジョニー・デップが生やしている髭。というかこの髭の日本語名。

映画のオフィシャルサイトには「“ちょびヒゲ”が世界を救う!?」なんてキャッチコピーがうたってあります。でもジョニー・デップが鼻の下にたくわえている髭は、両端を上に跳ね上げた形状で、「カイゼルヒゲ」っていうんですよ。実をいうと。

「ちょび髭」っていうのは、ヒットラーやチャーリー・チャップリンの、中央に寄せて鼻の幅だけ「ちょびっと」生えている髭のこと。
ジョニー・デップのが「ちょび髭」なら、ヒットラーやチャップリンのは何ていえばいいの? 「ちょびちょび髭」? 「鼻毛髭」?

誰にでもわかる事実誤認なのに、意外にも指摘する人を知りません。三谷幸喜さんが『朝日新聞』のコラム「ありふれた生活」で指摘しているぐらいです。皆さん無知なのか、関心がないのか、あるいはすでにマスコミに箝口令がしかれているのか。

配給会社は角川映画。
角川映画の広報担当が「ちょび髭」としたんでしょうね。社内に注意してやる奴は誰もいなかったのかね。
とにかくオフィシャルサイトにもポスターにも「ちょび髭」とうたってしまった以上、もう引っ込みはつかんでしょう。社を挙げて、いやマスコミもとりこんで、「これが本当のちょび髭です」ってことにしちゃうんでしょうね。

こうして、物事は間違って伝えられてゆきます。これを「訛伝(かでん)」といいます。

話はかわりますが、先日私の奉職する福岡女学院大学に韓国の大学関係者17名が視察に見えました。私が応対したのですが、どうも様子がおかしい。
彼らは「福岡女子大学」に来るつもりで「福岡女学院大学」に来ていたのです。
直前に、リーダーの何人かがそのことに気づいた様子。でも17名のほとんどは気づかず。
我々も知らない素振りで応対しました。結局視察のために3時間ほどとっていたのですが、30分でお帰りになりました。さりとて、アポもとっていないので、いまさら福岡女子大学には行けず。
帰り際に、「今からどちらへいらっしゃいますか?」と尋ねると「キャナルシティに観光に行きます」とのこと。
帰国したら、「福岡女子大学を視察してきた」と報告するんでしょうね。
こうして、韓国では「福岡女学院大学」は「福岡女子大学」と称されることになります。
これを「訛伝」といいます。
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