ニュース・日記

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風通信63

2015/04/07(Tue)
風通信 |
というわけで、続きです。

僕の好きな楽曲のひとつに、
今は聴く人もいないだろけど、
「April Come She Will」というのがある。
そう、4月。

関東に住んでいる18番目のガールフレンドからメールが届いた。
彼女は2ヶ月前には、美しいヨーロッパの街にいたから、
日本の桜がことのほか美しかったのだろう、
美しい満開の桜の画像も添付されてありました。
季節柄だしね。
「見渡せば花も紅葉も・・・」というコメントもあって、
そうだよね、確かに・・・。見渡せば・・・、ん?
そうか、天才、藤原定家の歌は花も紅葉もなく・・・、
イメージを提出して、
それを捨像することで際立たせるという高度な技法だった。

現実に満開の花があろうとなかろうといいわけですね。

最近は、満開の桜花を愛でることが多いし、
移ろいながら燃え上がる紅葉した木々を愛でることが多いけれど、
僕は、その盛りより散る急ぐときこそがすばらしいと思う。
言うまでもないことだが、
それは無常の概念に通じるのかもしれないですね。
形あるものは壊れるというあれね。
それは「諦め」だという人がいるかもしれない。
でも、無常という概念は「諦め」ではありせん。
それは精神の再構築なんだな。
つまり、失われたものはもう一度生まれるための準備なんだから。
ほんの一時の輝きを残して自然はその美しさを失う。
そしてその儚さ故に、僕はそういった自然との共生の現象が素敵だと思う。
・・・・ただ過ぎ去っていくのがいいんです。

これは、演劇にも通じるんじゃなかなぁ。
演劇は風の芸術だから、一瞬の風のように、
誰かの心をほんの少しだけ動かして、過ぎていく。
そのような作品を作りたいなぁ。
夜の底で、淡雪のように白く輝く花びらのような。
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風通信62

2015/04/07(Tue)
風通信 |
白馬の鬣が連なったような白い雲が
背振山系の上に低く垂れ込めている夜です。
春にしては少し冷える。
福岡の都心部の灯りが見えます。
ベランダの下の桜並木もすでに花は散り乱れ、
道路が淡雪を乗せたように白く見えます。

僕は、先日、誕生日を迎えました。
オジサンというにはその条件を十分満たしているどころか、
もはや、老人と言ってもいい。
でも、僕は思うのです、年を取るのも悪くはないと。
いや、やせ我慢ではないし、
まして強がりや、自己韜晦をしているんじゃありません。
ビートルズの武道館コンサートを
リアルにテレビジョンで観たことは僕の生涯の自慢だし、
(しかしこういうことを自慢げに話すのはフェアじゃありません)
女の子とすぐに仲良くなりたがる衝動や
押さえきれない怒りのパッションに身をさいなまれること。
そういう余計なエネルギーを使わなくてすむわけです。
もっとも、それが老人の特権ではあるはずですよね。あはは。
まあ、ある意味(これ嫌いな言い方です)自由になったというかね。
そして、こうも思います。
数字的な年齢より、
年齢を超えて分かり合える縦糸みたいものがあるはずだと。
同じ22才といってもいろんな22才がある。
52才のような22才もいるし、12才のような22才もいる。
だから、年齢で人を捉えたくはないし、
それを越えた関係性というものを構築したいと。
恋愛と同じで、みんなそれぞれに違う。
これが正しい在り方だというのもありません。
結局は自分から始まって自分に返る。
そこで、僕はこれから自分のことを小父さんとかお爺さんとか
言わないことにしようと思います。
つまらないでしょう? これが誕生日を迎えた感想。がはは。

This story is to be continued.
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