ニュース・日記

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風通信77

2017/02/26(Sun)
風通信 |
一年前の今日、2月26日は
僕らの最後の公演『リア王』の初日だった。
一年しか経っていないのに、遠い昔のような気がする。
その後の打ち上げや後片付け、解散会などいろいろあって、
たぶん、3月には整理がついたのではないかと思う。
足かけ20年にわたるアントンの時間は、
壁のスイッチボタンを押すみたいに、
あの公演でキレイにスイッチ・オフ。
パチン。

なにごとでもそうだと思うけれど、
長い時の流れの中で、
僕らは、いろいろな物や事を手にするし、同時に失う。
それが何であるかを言葉にすることはもちろん可能だろうが、
言葉にならないものやことがある。
そして、言うまでもないことだが、
言葉に出来ない方が重要だったりする。
別に重要な案件があったわけではないけれど、
僕は、この20年をうまく言葉にすることはできない。
そうやって過ごしてきたとも言える。

この一年、
芝居に関しては何もしないと決めていた。
なにかに整理を付けたいとも考えていた。
とりあえず、顎髭を蓄えた(苦笑)
この一年、
日常から遊離するように絵画を見に旅をした。
ソロピアノのリサイタルでホールにも行った。

一年もあれば、
変わったこともあるし、そうでないこともある。
こう書くと、なんだかひどく単純な二項対立みたいですね。
熊本で大きな地震はあったし、
株価は世界経済の動きにつれて高下した。
飲酒運転は相変わらず減らないし、
安倍晋三は首相の座に座り続けている。

夜はほとんど自室にこもって映画か読書の生活。
パソコンを開くのも2、3日に一回。
メールもほとんど来ることはない。
ポストにはマンション買いますとか、
出張ビザのチラシばかりが入っている毎日だ。
ひと月に、10本は映画を観ることができた。
時々は映画館に足を向けることもあったが、たいていは、
自宅の壁にプロジェクターで投影して観ることが多い。
あまり知られてはいないけれど、優れた作品もあった一方、
創造に携わる者として苦労は知っているので、
言ってはいけないとは思いながらも、
言っちゃえば、ゴミみたいな作品もありました。
本も、・・・本は月に5冊程度しか読めなかったなぁ。
基本的には新刊書は買わず、読みたい本をリストアップしておいて、
リスト上に適当な量が溜まれば、オンラインでまとめて購入する。
どう見ても、カラフルとは言いがたい状況だ。

ジャネーの法則というのがある。
人生のある時期における時間の長さは、
年齢の逆数に比例するという法則だ。
そうすると、次の一年は今年より、
いくぶんか短くなるはずだ。

さて、これからの一年は、少し動くかな・・・。
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