ニュース・日記

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風通信97

2017/05/19(Fri)
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風通信は、今回が97回目になる。
前回の96回は、一度アップした後、
およそ半分以上削除した。
まあ、要するに気に入らなかったわけだが、
改めて、文章を書くという意味について考える
いい機会になった。

なぜ削除したかというと、
書いているうちに、自分の想いと
書いてある内容がだんだん離れて行く感じがしたからだ。
もちろん、言葉というものは、
未知の自分に巡り会うためという一面もあるのだから、
自分でも思いがけない展開になることはあるし、
われながら、そうだったの? と気付く事柄もある。
だから、予想外のフィールドを手に入れても問題はない。
ないどころか、それは望むところではある。

でも、自分の中で、これは違うよな、
というか、こういうことは書きたくないよな、
と思うこともあって、
それが、自分の想いから離れて行く感じなんです。

97回で言えば、
僕は、「寒いからこそ暖かい」ということを
落としどころかなと考えていた。
たとえば表層的な価値観を信じるべきじゃない、
くらいの哲理は考えていたかもしれない。
悲しいとだけ言えば事足りるのではなく、
悲しみを客体化する操作も必要なのさ、
くらいのことは考えていたのかもしれない。

97回で「そんな夢を見た」と書いたけれど、
夢であろうが、現実であろうが、
極端に言えば、嘘であろうと現実であろうと、
どっちでもいいんですね、僕としては。
かりに本当にあったことだとしても、
過ぎ去ったこの冬のことかもしれないし、
30年も前のある一夜の事実かもしれない。
あるいは、本当に夢だったかもしれないし、
僕のよこしまな妄想に近いのかもしれない。
まあ、どうでもいいわけだ。
どうでもよくないのは、僕が何らかの形で、
あの状況、あるいはシーンを
文章に書いて残したいという想いを持ったということ。
それだけ。
僕は書き残したかったんですね、
自分自身のために。
あんなことがあればいいなかぁと密かに思ったのか、
表層的な価値観に囚われる是非を
ひとつのシチュエーションを通じて表現したかったのか。
よくわからないけれど。

でも、ああ、あの時のことね、と
思う一人の人がいるかもしれないですね。ふふ。
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風通信96

2017/05/14(Sun)
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寒い夜だった。
更地に造られた臨時の駐車場まで歩く。
オレンジ色の街灯。
信号待ち。
駐車場の入口には、
防寒ジャンパーに身を包んだ
警備員の黒い影が見える。
僕はポケットに手を入れて、
いくぶんか前屈みに歩く。
後ろを歩いていた彼女が、
やさしい子猫のように
スッと僕の腕に腕を絡ませた。
オレンジ色の街灯。
二人で、
小さな砂利をザクザクッと音を立てて歩く。
寒いはずなのに、
彼女の温もりが脇腹あたりに
ゆっくりと伝わる。
暖かな感触。
寒い夜だから。

そんな夢を見た。

日常の隣に非日常があって、
なんだか、その双方を行ったり来たりの生活。
このところ、ずっとそうだったなぁ。
一冊の本も読めず、一本の映画も観なかった。
でも、どうにか先が見えた来たような気がする。
ヤレヤレです。



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