ニュース・日記

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風通信157

2018/03/10(Sat)
風通信 |
2年ほど前、職場のでの環境が変わったのを機に、
車を、それまでの「オペル」からホンダの軽自動車に換えた。
免許取り立ての半年間、スズキの2気筒に乗った以外は、
アメリカ車、イギリス車、ドイツ車と外国産の車ばかり乗っていた。
僕はどちらかと言えば、
ローリスク・ローリターンの収入の、しがない身なんだけどれど、
日本車の、至れり尽くせりのご親切は、
今ひとつ、車を走らせる面白みが感じられなくて、
家族のここよからぬ心情はともかくも、
経済に見合わない車ばかり乗ってきたのです。

維持費のことも考えて、軽自動車に買い換えたのだが、
母親の病院の送り迎えのこともあり、
4ドアのゆったりした車を前提に探して、
買ったのが「N・BOX/(スラッシュ)」だった。
この車は、なぜこんな軽自動車を作ったの?
と思われるような妙な車で、車内に
低音域用に17センチのバックロードホーン型の
ウーハー・スピーカーがひとつ、
それから、同じく中音域用の17センチのスピーカーが4個。
さらに、アルミドーム型のツィーターが4個。
計9個のスピーカーが標準装備してある。
もう、それはコンサート・ホールです。
セロニアス・モンクの息遣いやら、バド・パウエルの呻き声やら、
が、すさまじい臨場感で迫ってきた。
ジェシー・ノーマンのドラマティコなソプラノは、
ミラノ・スカラ座で聞くような感じでした。
(あ、念のため、僕はミラノ・スカラ座に行ったことはありません)

だから、それはそれで満足していたのだが、
先月、突然、車を買い換えようという気になってしまった。
もちろん、軽自動車です。
けばい女性に惹かれる男性は、死ぬまでけばい女性に惹かれ続ける。
問題のある男性に惹かれる女性は、同じように
死ぬまで問題のある男性に惹かれ続ける。人の趣向というか、好みは
一生涯変わることはないような気がする。
車の好みも、わりとそれと近いものありそうな気がしますね。
僕は、もう、文字通りの爺ちゃんなので、
ジイさんが乗るのに、ある意味、適した車を選んだつもりだ。
新しい車は納期にあと2ヶ月かかるらしい。
僕は、メガネを1年に一回は買い換える。
そのたびに、メンバーの栃原が、
「今度はどんな女の子と付き合ってるんですか?」
と十年一日のように尋ねる。
車を換えたことを知ったら、きっと訊くだろう。
「今度はどんな女の子を乗せるんですか?」
現実的ではないにしろ、しかし、
そう尋ねられることは、けっこう名誉なことですね。
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